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海外大生を長年見てきたプロだから分かる シューカツ虎の巻
これまで数多くの海外大生の就職をサポートしてきた、キャリアアドバイザーの阿久津さんと、グローバル人材向け就職メディアの企画責任者、松井香穂里。 自身も海外大生として就職活動をした経験を持つ2人が、学生・企業両者のリアルな視点で、海外大生の就職活動の極意を4回に渡って伝授。 第1回目は、「日本で就職するか?海外で就職するか?」という就職活動をする上で最初のステップになるテーマについてお送りします。
松井 香穂里 1999年 UCSDでMA(修士)取得後、
外資系コンサルティング会社に入社。
戦略グループのマネジャー職を経て、
2006年 リクルート入社。
グローバル人材の就職支援サービスに携わる。
阿久津 大輔 1999年 American Univ.卒業後
OPTで1年間、米国で働く。
帰国後、幼児教育のベンチャー企業に入社。
2006年 リクルートエージェント入社。
現在、海外大生のキャリアアドバイザーとして活躍中。
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日本で就職するか?海外で就職するか?

松井:

多くの海外大生にアドバイスをされてきたと思いますが、中には「留学先で就職するか、帰国して日本で就職するか」悩む学生もいると思います。いかがですか?

阿久津:

リクルートエージェントにご登録いただいている学生の場合、日本での就職をすでに選択されているケースが多いです。しかし、中にはOPT等の制度を使って留学先で就職するかどうか迷う方もいます。

松井:

そのような悩みを抱えた学生に対して、阿久津さんはどんなアドバイスをされているのですか?

阿久津:

そうですね。どちらの国で就職するにしろ、本人の納得感が大事ですね。 就職する国を選ぶ際には、海外大生の今後のキャリアという視点はもちろん、ライフスタイルやライフプランという視点もあります。どういったキャリアを築きたいのか、そのときに、自分がどのような生活を送っていればいいのかを確認しながら、本人に納得感のある選択ができるようお手伝いしています。
それと同時に、留学先と日本の現実的な就職環境の話もしますね。たとえばビザの問題や、海外での就職は採用枠が少ないという現状、現地採用になるとその後のキャリアプランが難しいという現実についてです。

松井:

何か具体的なケースなど紹介いただけますか?

阿久津:

そうですね。米国で都市計画を専攻されていた方のケースです。その方は、日本で専攻を活かした仕事に就きたいと考えていましたが、見つからない。そうしたタイミングで相談に来られました。米国には専攻を活かせる仕事がある。でも、日本に定住した上で、日本で都市計画の仕事をしたい。私がアドバイスさせていただいたのは、米国での就職にチャレンジして、そこでキャリアを積んだ上で、日本に帰るという選択肢があるということ。日本で就職する際には、不動産会社やシンクタンク、コンサルティングファームなどがあることをお伝えしました。結局、米国で就職活動をしたものの、希望の仕事で正社員のオファーがありませんでした。その後、日本に帰国し、不動産関連の会社に就職されました。

松井:

私自身も留学先で就職活動をして、ビザの問題等、厳しい現実に直面した経験があります。 結局は自分が実現したいキャリアの一番の近道は、帰国することだと卒業間際に決めたのですが、その当時阿久津さんのように、アドバイスをしてくれる人が周りにいれば心強かったと思いますね。私のケースだけでなく、海外大生の場合、就職活動をする際に、助言をくれる人がいなかったり、情報が少なかったり、困っている学生が多いと思うのですが、いかがですか?

阿久津:

情報不足で苦労されている方は多いですね。弊社に登録されている一番多いパターンとしては、高校まで日本で、大学が海外というケース。その場合、高校を卒業したときまでの情報しかもってないのです。日本の学生だと、一斉に就職活動の時期に突入して、大体同じ進度で進んでいくので、情報が入ってきやすい。でも、海外だとなかなかそうはいきません。相談を聞いていると、本当に情報が不足しているという気がしますね。

松井:

情報不足の他にも、学生に対する課題観はありますか?

阿久津:

日本での就職を希望している学生の中でも、「日本で就職することで、何を実現したいのか」という明確な意思を持っている方が多くないように感じます。卒業したから、日本に帰って就職しようかなあ・・・といった受身な状態の方が多いですね。

松井:

消去法で、日本での就職を選択しているのかもしれませんね。 企業が面談時に、「なぜ海外に行ったのか」ということも問われますが、同時に「なぜ日本で働きたいのか」という問いも当然あると思うのですが。

阿久津:

そうですね。企業も面接の場では当然、「どうして日本で就職しようと思ったのか」ということを確認してきますから。

松井:

日本で就職しようが、海外で就職しようが、自分の中でちゃんとした目的意識がなければ難しいということですね。情報不足だけでなく、自分のキャリアや就職に対して具体的な目的意識を持ちづらいと思っている学生に、どのようなアドバイスをされているのですか?

阿久津:

私がよく話すのは、自分の持つ日本のネットワークをしっかり活用しようということ。たとえば、これまでの人脈で、同じ高校の友達で日本の大学に進んだ人に情報を入手したり、履歴書を見てもらう。また今の環境でも、留学先で日本に就職する学生たちと話し合ってみるとか、あるいは卒業して日本の企業に勤めている方に連絡をとってみて、OB・OG訪問の擬似的なものをしてみるといったことです。特に社会人とのネットワークを持つことは、就職活動に関する情報を得るだけでなく、自分のキャリア感や、就職で何を実現するのか考えるのに、非常に良い機会だと思います。

松井:

私の場合、情報がない中、役に立ったのは、大学院のキャリアセンターです。そこでは、レジュメの書き方や、自分がなぜアメリカに来てこの勉強をしているのかといった自己分析を大人の目線で聞いていただきました。今思えば、それが面接の擬似練習になっていたと思います。

阿久津:

私が海外大生に対して行っているアドバイスの内容は、日本で就職活動をしている学生に対して行っているものとそんなに変わりません。ただ海外大生の場合は、就職活動に取り組む時期が日本にいる学生と比べて遅く、割く時間も少ないので、就職活動の基本的なスキルやノウハウを習得しないまま、苦戦するケースが見受けられます。

松井:

それは私自身も就職活動の中で、そして社会人になって新卒の学生を面接する立場となって実感したことです。たくさんの企業の筆記試験や面接を受け慣れている日本の学生に対して、海外大生は、日本で就職活動をする機会が限られているので、面接等をしていても場慣れしていない印象を受けました。また、せっかく面接でよい印象を残しているのに、SPIが非常に低い点数だったり。これは能力の差というよりも、準備の差のほうが大きいでしょうね。


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